(開催趣旨)
「坂村真民のまなざし」は、生きとし生けるものへのやさしさと愛情あふれるまなざしです。しかし、自分自身を見つめるまなざしは、いつも厳しいまなざしでした。
真民は73歳の時に、「まなざし」という言葉に出会い、78歳の時には「まなざし」という詩を書いています。
その後90歳の時に「千年のまなざし」という詩を書き、91歳になると、「宇宙のまなざし」という詩集を出版しその中で、「宇宙には対立もなく、差別もなく、すべて平等です。この心を一番持っているのが日本民族です。どうか、「宇宙のまなざし」を持つ人が一人でも多くなって、母なる星地球を平和で幸福な星とするよう、祈り願ってやみません。」と書いています。
今回の企画展では、「坂村真民のまなざし」について多角的に取り上げ、「千年のまなざし」から「宇宙のまなざし」に辿り着くまでの心の軌跡、真民が敬仰した人の「まなざし」はどんなものであったのか。「真民のまなざし」がいつも見ていた家族、生徒、生きとし生けるものたちは、どのように見つめられていたのか。そのことについて、真民詩の中から「坂村真民のまなざし」が分かる詩を中心に選び展示・解説しています。
どうぞ、真民の「まなざしの詩」をゆっくりと読んでいただき、「真民のまなざし」を受け止めて、真民からのメッセージを読み解いていただきたいと思います。
(展示構成)
作 品 名 | 形態 | 作 品 名 | 形態 |
タンポポ魂(全文) | 額装 | 幼き者へ(全文) | パネル |
二度とない人生だから | 額装 | 大きく光るもの(全文) | パネル |
念ずれば花ひらく(全文) | 額装 | 若者よ(全文) | パネル |
ねがい(一人のねがいを)(全文) | 額装 | わたしの詩(全文) | 額装 |
あじさいの花(全文) | 額装 | すべては光る(全文) | 額装 |
まなざし(78歳)(全文) | パネル | かなしみはいつも(全文) | 額装 |
千年のまなざし(全文) | パネル | あとから来る者のために | 屏風 |
万年のまなざし(全文) | パネル | 南無阿弥陀佛 | 屏風 |
宇宙のまなざし(全文) | パネル | 一遍上人語録 | 軸装 |
特別展「鎌倉・円覚寺黄梅院の掲示板の詩~横田南嶺老師と坂村真民の心の交流~」
(開催期間)令和2年2月22日(土)~8月23日(日)まで延長
(開催趣旨)
鎌倉にある臨済宗円覚寺派本山円覚寺は、鎌倉五山第二位の格式を誇り、日本の臨済禅に大きな影響を与えた無学祖元禅師の開山した寺です。そこの管長をされている横田南嶺老師は、高校生の時に坂村真民の詩に出会いファンとなり、大学卒業後出家修行僧としての長い時代を経て、円覚寺黄梅院の住職に就かれ、その入り口にある掲示板に毎月真民詩を揮毫し掲示されてきました。その後管長に就任された後も真民詩の掲示は続き今年の2月で通算251回となり、円覚寺のホームページにもアップされて、多くの人々に読まれています。
今回の企画展では、その掲示板の詩から14点を選ばせていただき、記念館で展示することになりました。それぞれの月に合わせて横田管長自ら選ばれた詩は、「禅の教えを分かりやすく詠んだ詩」や「人間としての生き方を詠った詩」が多く、これまで記念館で紹介したことのない詩がほとんどです。
また併せて、横田管長の真民詩に対する想いと横田管長の生き方をご紹介するとともに、真民の生き方とその詩に大きな影響を与えた「禅」について、真民はどのように考えていたのかを「思索ノート」の中の言葉と真民詩の中から繙いていきたいと考えてます。また、真民が書いた「禅語と仏の教え」を掛け軸にしたものを展示するとともに、真民が吉田の大乗寺で参禅をしていた頃の貴重な「教典」等も併せて展示しております。
さらに、第2展示室の作品の配置や長いすを増やすなど工夫して、皆様がゆっくり静かに「安らげる場」としておりますので、どうぞお誘いあわせのうえご来館ください。
(展示構成)
坂村真民の作品 |
作 品 名 | 形態 | 作 品 名 | 形態 | |||
わたしの詩(全文) | 額装 | 一華一佛 | 軸装 | ||||
大事なこと(全文) | 額装 | 円相 | 軸装 | ||||
時間をかけて(全文) | 額装 | 大宇宙大和楽 | 軸装 | ||||
念ずれば花ひらく(全文) | 額装 | 如来如来 | 軸装 | ||||
鳥は飛ばねばならぬ(全文) | 額装 | 氣海丹田 | 軸装 | ||||
身軽(全文) | パネル | 衆生無辺誓願度 | 軸装 | ||||
横田管長揮毫の作品 | 作 品 名 | 形態 | 作 品 名 | 形態 | |||
南無の祈り(2011年1月) | 額装 | 柔軟心(2014年1月) | 額装 | ||||
まごころ(2011年7月) | 額装 | 涼しさ(2015年5月) | 額装 | ||||
生きる(2011年12月) | 額装 | 深さ(2015年7月) | 額装 | ||||
坐忘(2012年9月) | 額装 | 信仰(2015年10月) | 額装 | ||||
母から学んだもの(2012年11月) | 額装 | 生き方(2017年5月) | 額装 | ||||
一心不乱(2013年7月) | 額装 | 四行詩より(2018年4月) | 額装 | ||||
天を仰いで(2013年10月) | 額装 | 深さ(2018年8月) | 額装 | ||||
10月26日(土)から、新しい企画展「若者たちに贈る真民詩~二度とない人生をどう生きるか~」が始まります。
企画展「若者たちに贈る真民詩~二度とない人生をどう生きるか~」
開催期間 2019年10月26日(土)~2020年2月16日(日)
(開催趣旨)
坂村真民の生き方は、「人間としてどう生きてゆくか」を常に自分自身に厳しく問いかけ、その答えとして詩を書き、少しでもいい詩を書き続けることでした。人生の先輩として、苦しい事、つらい事、悲しい事をいっぱい経験してきた真民の詩は、若い人たちがその体験を共有することによって、「一つの道しるべ」としての役割を果たしているとともに、真民も若い人たちが、いろんな経験をし、失敗も重ね、時間をかけて成長してゆくことを心から願っていました。
私たちは、長い年月の中で失敗と挫折を繰り返しながら、「どう生きていくのか」を自分で考え自分の答えを見つけて生きてゆかなければなりません。
坂村真民の詩は、生きる希望と勇気を与えてくれる詩、命の大切さを考え生きることは尊いことだと思えるような詩、家族のありがたさ、家族を大切にしようと思う詩がたくさんあります。
今回の展示は、こうした真民詩の中から、小学生、中学生、高校生の皆さんに、読んでもらいたい詩を全館で展示しています。是非自分が好きな詩を見つけて、自分がこれから生きてゆくときに、参考になる詩を見つけもらいたいと思っています。
(展示概要)
第1展示室と中部屋では、これまで来館された若い方々からアンケート集計した「私の好きな真民詩」のベスト10と小学生、中学生、高校生がそれぞれ好きな真民詩を展示しています。前回の来館者全体のベスト10の作品とほぼ重なるものがあるのですが、代表的な真民詩がほぼ網羅された展示となっています。
第2展示室では、「館長が若い人たちにお薦めする真民詩」を、15点展示しています。どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
(展示構成) 数字はベスト10の順位
第1展示室 | 展示作品 | 展示作品 | |
1―念ずれば花ひらく(全文) | 6―こつこつ(全文) | ||
2―本気(全文) | 7―両手の世界(全文) | ||
3―タンポポ魂(全文) | 8―わたしの詩(全文) | ||
4―二度とない人生だから(全文) | 9―しんみん五訓(全文) | ||
5―すべては光る(全文) | 10―存在 | ||
第2展示室 | 展示作品 | 展示作品 | |
若者よ(全文) | 一年草のように(全文) | ||
若い人に (全文) | 幸せの帽子(全文) | ||
うた(全文) | つみかさね(全文) | ||
つねに前進(全文) | せい一ぱい(全文) | ||
たんぽぽのうた(全文) | おむすび(全文) |
開催期間 2019年6月22日(土)~2019年10月20日(日)
(開催趣旨)
坂村真民は、生きることに悩み苦しみながら、いつも自分に向かって「この生き方でいいのか」、「まだまだいかん」と自問自答しながら生きていました。
真民にとっては、詩を作ることと生きることは同じものであり、「真の人間として生きるための生き方」を模索する中で詩が生まれてくるのです。真民は、そういう「坂村真民の生き方」を常に自分自身に向けて問いかけ、その答えを「自分への戒め」「箴言」として、多くの詩を残しています。
坂村真民の詩は、「君たちはどう生きるか」を問う詩ではなく、「私はどう生きるべきか」を問う詩であり、どの詩も「君たちや貴方たちへの詩」ではなく、「自分自身に向けた詩」であり、その中心となるのが「自分への厳しい戒めの詩」なのです。
坂村真民の詩とその生き方をより深く知るためには、こうした「自分への戒め、箴言の詩」を読み解くことが、必要となってくると思います。
今回の企画展では、数多くの真民の箴言詩の中から、真民がそれぞれの時代(年代)に、生きる苦しみとともに自分への「箴言」として書いた詩を選び出して展示しています。
また、坂村真民は、自分を厳しく戒めても、いつも「前向きに生きること」を考え、「生きる希望」を持ち続けて生きてきました。そういう「自らを励ます詩」も併せて展示しています。
(展示構成)
常 設 展 | 作 品 名 | 寸 法 | 形態 |
わたしの詩(全文) | 89×167 | 額装 | |
大事なこと(全文) | 130×87 | 額装 | |
七字のうた(全文) | 48×99 | 額装 | |
念ずれば花ひらく(全文) | 88×174 | 額装 | |
一筋の道 | 90×111 | 額装 | |
一番いい人 | 176×89 | 軸装 |
企 画 展 | 作 品 名 | 形態 | 作 品 名 | 形態 |
六魚庵箴言 | 額装 | こぶしの花 | パネル | |
自らを励ますうた | パネル | 鈍刀を磨く | パネル | |
裸木 | パネル | これでよいのか | 額装 | |
こつこつ | 額装 | 天を仰いで | 額装 | |
しんみん五訓 | 額装 | 自戒 | パネル | |
鉄眼と一遍 | パネル | まだ序の口 | パネル | |
つねに前進 | 額装 | ただそれだけ | 額装 | |
四訓 | 額装 | あとから来る者のために | 六曲屏風 |
特別展「真民詩とともに生きてゆく~坂村真民記念館7年の歩み~」
(開催趣旨)
坂村真民の詩は、真民自身が、つらいことや、悲しいことをいっぱい経験して、また、家族とともに、うれしいことや、幸せに生きる喜びを感じて生きる中で、さらに人間として如何に生きるかを自らに問い、その答えを考える中で生まれてきたものです。
真民詩を読んで、真民詩が好きになる人は、こういう真民の経験を自分の人生に重ねて、つらい時も、うれしい時も、悲しい時も、幸せな時も、いつも真民詩に見守られ、励まされているのだと思います。
坂村真民記念館は、そういう真民詩を大切にして、これまで来館された多くの方々とともに歩み、ともに生きてゆくことを願っています。
今回の特別展は、これまで7年間に来館された方々が「アンケート」に書かれたそれぞれの思いを集約するとともに、坂村真民記念館のこれまでの歩みを振り返り、改めて記念館の歩むべき道を確認するものとなっています。
(展示概要)
第1展示室では、これまで来館された方々からアンケート集計した「私の好きな真民詩」のベスト10の真民詩を展示しています。代表的な真民詩がほぼ網羅された展示となっています。
第2展示室では、「真民詩」の根底にある思想とその「坂村真民の生き方」に影響を与えた人たちを採り上げ、その影響から生まれた「真民詩」を展示しています。
また、通路の壁面には、これまでの企画展・特別展のポスターとチラシをすべて展示して、記念館の7年間の歩みを見ていただくこととしております。
どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております
「坂村真民の愛した草花と木~野に咲く草花や木を詠った詩と写真とのコラボ展~」
開催期間
2018年10月20日(土)~2019年2月24日(日)
(開催趣旨)
坂村真民は、生きとし生けるものへの愛情を込めた詩を数多く作っています。その中でも、野に咲く草花や木を詠った詩は、真民の純粋で清らかな心をそのまま表現した詩として多くの読者に読まれています。
今回は、これらの草花や木を詠った詩とその写真を一緒に展示することとしました。この写真は、この企画展のために、西澤館長が全国を回って撮り集めた写真です。もちろん、真民が実際に見た「タンポポ堂」に咲く草花や木も撮っています。
真民が敬愛していた杉村春苔尼先生の命日に必ず活けていた白百合の花など真民の思い出の花の詩をその写真と共に鑑賞していただく企画となっています。
(展示概要)
第1展示室では、坂村真民の代表的な詩の詩墨作品と真民の好きな禅語を掛け軸用に書いたものなど、皆さんにもおなじみの「真民詩」と「真民の書」をゆっくりと見て、読んでいただけるものと思っております。
特に今回は、森信三先生から頂いた手紙と書を2点展示していますので、こちらも貴重な展示となっています。
どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
企画展「坂村真民の扉書き~真民が詩集に込めた想いと言葉~」のお知らせ
【開催期間】
平成30年 6月23日(土)~平成30年10月14日(日)
坂村真民は、すべての詩集と随筆集にその時その時の想いを込めた言葉を「表紙の裏」に「扉書き」をしています。
自費出版の詩集を出していた頃は、贈呈する人ごとにそれぞれ違った言葉を書いていましたが、昭和42年に「自選坂村真民詩集」を出版してからは、その詩集や随筆集ごとに言葉を決めて「扉書き」をするようになりました。
今回の企画展は、その「扉書き」について、真民直筆の書とその「扉書き」の言葉の出典となる「真民詩」を展示するとともに、「扉書き」に対する真民の想いと願いはどのようなものであったのかをパネルで展示しています。
第1展示室では、真民詩の代表的な詩墨作品を23点展示します。
第2展示室では、企画展「坂村真民詩集の扉書き~真民が詩集に込めた想いと言葉~」として、自費出版の詩集や出版社から出された詩集と随筆集に扉書きされた「真民の想いと言葉」を実物展示するとともに、その言葉の出典となる「真民詩」の詩墨作品を20点展示します。
短い言葉ではありますが、「扉書きの言葉」は真民のその本に対する想いが凝縮された言葉であり、真民の生き方を知る上でも重要な意味のある言葉です。
どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
坂村真民記念館開館6周年記念特別展
「坂村真民という生き方~坂村真民の生涯を貫いた生き方とは~」展について(お知らせ)
期 間 平成30年3月3日(土)~6月17日(日)
場 所 坂村真民記念館
これまで記念館では、坂村真民の生涯を展望しそこから生まれた数々の詩について、真民が住んだ地を辿って、それぞれの時代の代表的な詩とその詩が生まれた背景等について解説し、その詩の魅力を分かりやすく丁寧に解説パネルや資料を展示してきました。
また、3年前からは、坂村真民の生き方とその中心にある思想を、「家族」、「一遍上人」、「森信三先生」、「二人の母」、「坂村真民の祈り」というテーマを設定して、より深く真民詩の世界を掘り下げて、真民詩を理解するための企画展を開催してきました。
開館より6年を迎える今年は、これまでの企画展と特別展を再構成して、「坂村真民という詩人の生き方」を総合的に捉え、「坂村真民という生き方」というテーマで、坂村真民の独特な生き方とその特徴、そしてそこから生まれてくる「真民詩」を、あらゆる角度から見つめ直して、真民詩をより分かりやすく、より深く解説しようと試みています。
どうぞ、多くの皆様がこの特別展をご覧になり、真民詩の魅力を再発見していただき、皆様の人生の「生きる糧」として、また「生きる希望」として、真民詩がお力になることが出来ますように、心を込めて特別展を開催することとしておりますので、どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
「坂村真民の世界―すべての人に真民詩を~ようこそ砥部町へ、ようこそ坂村真民記念館へ~」展のお知らせ
(開催期間)
第1部 平成29年 6月17日(土)~平成29年11月12日(日)
展示替え休館日 11月13日(月)~11月17日(金)
第2部 平成29年11月18日(土)~平成30年 2月25日(日)
2017年9月30日から10月30日まで、砥部町の総合運動公園を中心として「第72回国民体育大会と第17回全国障害者スポーツ大会」が開催され、全国から選手や応援団として多くの皆さんが砥部町に来られます。
坂村記念館ではこの機会に、「こつこつと努力する大切さ」、「困難の中でも生きる希望と勇気を持つことの大切さ」を詠った詩や、「人生で色んなハンディを持ちながら、それを乗り越えて生きる人々へのエールを送る詩」を数多く書いている坂村真民の人となりとその詩を、多くの人に知ってもらうために、代表的な坂村真民の詩墨作品を全館で展示することとしました。
坂村真民の詩には、「試合に勝つことだけ」を求めるのではなく、「人間として成長すること」を願って、つらい、苦しい練習を重ねて、「人間としての生き方」を求め続けることを詠った詩が多数あります。そして、そうした詩を書くために、自分自身を厳しく鍛え、毎日を「修行僧」のように生きた坂村真民の「生き方」も多くの人に感動を与えるものと思っています。
また第2部では、「家族への愛」、「家族と共に生きる喜び」を詠った代表的な真民詩の詩墨作品及び自筆の原稿作品を取り揃えてご覧いただけるように準備しております。
坂村真民記念館にとりましても、開館から5周年という節目の年を迎え、今一度原点に立ち帰り、真民詩の真髄である「生きる希望と勇気」が湧いてくる詩を厳選して展示したいと思っています。坂村真民の詩は、貧しいながらも心豊かな生活を求めた詩、どんなに苦しくても、悲しくても、生きる希望を持ち続けることを訴えた詩が中心です。
現代の日本人が、忘れかけようとしている生き方、考え方を、もう一度坂村真民の詩を通して思い出して貰い、皆さんの今後の生き方を考えるヒントにしていただければ幸いです。どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。
開館5周年記念特別展「東日本大震災と坂村真民の詩~鳥は飛ばねばならぬ、人は生きねばならぬ~」のお知らせ
平成29年3月4日(土)~6月11日(日)
坂村真民記念館は、2012年3月11日という特別な日にオープンしました。それは、この記念館が東日本大震災で被災された皆さんと一緒に、皆さんの気持ちに寄り添って、新たな道を共に歩き出したいと願ったからです。
坂村真民の詩には、つらい、苦しい気持ちの中で、悲しい気持を噛みしめながらも、前向きに生きることを詠った詩がたくさんあります。そうした坂村真民の詩によって、被災された皆さんの心に生きる希望と勇気を取り戻してもらいたいという願いを込めた記念館なのです。
大震災より6年を迎える今年は、震災により亡くなった方々の7回忌にも当たります。坂村真民記念館では、開館5周年記念特別展として、愛媛新聞社と共催で、東日本大震災の記憶を風化させることなく、これからも人々の記憶にしっかりと留めてもらうことを願って、「東日本大震災と坂村真民の詩~鳥は飛ばねばならぬ、人は生きねばならぬ~」展を開催いたします。
東日本大震災とその後の被災地の復興状況の記録写真を中心とした岩手日報社と愛媛新聞社の報道写真を中心に展示し、被災地の今を生きる人々の現状を見ていただきたいと思います。そして、被災者の方々に寄り添い、悲しみをともに悲しみ、困難を乗り越え、前に向かって生きる人へ「生きることの大切さ」を詠った坂村真民の詩を展示することとしております。
また、この特別展の趣旨に賛同いただいて、被災者への鎮魂と哀別の想いを込めて、臨済宗円覚寺派の横田南嶺管長に特別に揮毫していただいた「真民詩11点」を特別展示します。
坂村真民記念館にとりましても、開館から5周年という節目の年を迎え、今一度原点に立ち帰り、真民詩の真髄である「生きる希望と勇気を感じ取る詩」を厳選して展示したいと思っています。多くの皆様がこの特別展をご覧になり、東日本大震災の記憶を呼び戻し、震災後の貴重な体験を生かして、新たな時代に向かって生きてゆくことを考えていただければと思います。
坂村真民の詩は、貧しいながらも心豊かな生活を求めた詩、どんなに苦しくても、悲しくても、生きる希望を持ち続けることを訴えた詩が中心です。現代の日本人が、忘れかけようとしている生き方、考え方を、もう一度坂村真民の詩を通して思い出して貰い、皆さんの今後の生き方を考えるヒントにしていただければ幸いです。どうぞ、多くの方々のご来館を心からお待ちしております。